2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧
サブプライムローンを始めとする「貧困ビジネス」に食い物にされる、社会的マイノリティの悲惨。結局われわれは、アメリカの現実なんか何も知らなかったのだ。金融、医療に加え、内容的に大きなウェイトを占めるのが「戦争ビジネス」。経済的に困窮した若者…
世界的ベストセラー「ジュラシック・パーク」の著者が、環境問題をテーマに採ったサスペンス・ノベル。世の中のエコブームに冷や水を浴びせるような、かなりシニカルな内容は、日頃から「地球温暖化」に胡散臭さを感じている向きには一種の爽快感をもたらせ…
自らの取材力の限界を、わざわざカミングアウトする珍しいジャーナリスト。誠実であろうとする態度が、時に度を越している。「ここは直接取材していないのでよく分からない」の連発では、読者として心もとない。危険度の高いテーマを扱っているが、暗部に踏…
自分の部屋をなかなか整理できないBOSE(スチャダラパー)が、次々と不要なモノを捨てていく「片付けドキュメンタリー」・・・のはずが、作業は遅々として進まない。どころか、編集者が訪問するたびに逆に新しいアイテムが増えている。二人の、妙に日常的で…
「人間とは経済的な生き物である」と仮定すれば、”行動経済学”とは、すなわち人間学である。日常的な購買行動など、ごく身近なトピックをモチーフに、誰しも思い当たる人間心理のメカニズムを数ページ単位で手際良く紹介。気楽に読めてタメになる39のテー…
湾岸戦争に従軍した元海兵隊員が書き、ニューヨーク・タイムズが激賞した「現代の戦争文学」。それにしてもこのフラット、というかポップな筆致はなんだろう。先の大戦やベトナム戦争など、一般にイメージされる「戦争文学」の重苦しさはここにはない。物質…
人間の「直感」を切り口に、行動心理学にまつわる様々なトピックを集めた本。「とにかく直感を信じろ!」と言っているわけではなく、「直感が正しいこともあるが、大きな間違いを起こすこともある。むしろ間違えることの方が多いから、そうならないように訓…
初版08年12月16日。とっくに崩壊しているこのタイミングで「そろそろ危険」「投信は解約せよ」などと当たり前のことを言う。現金化したその先が何も書かれていない。便乗本の類い。
世界はそこに「ある」ものではなく、人間が「つくる」ものではないか。著者にとっては常識以前のこの思想が、信じていたものがすべて崩れ去っていくような今だからこそ、異様なリアリティを持って迫ってくる。世界は一つではない。我々の生とは、それぞれの…
親しみやすい事例を中心に、分かりやすく解説。人に物を頼む時の様々な話し方が役に立つ。ただ、全体に漂う牧歌的なコミュニケーション環境は、失われた昭和を思わせて少し物悲しい。
ゴールドマン・サックス退社後、ニューヨークで投資会社を立ち上げた著者が体験談を交えて語る、米国金融崩壊の顛末。威勢のいい帯のコピーに騙されてはいけない。金融の現場にいた人物ならではの生々しいトピックはほとんどなく、「モノ作りを忘れて金儲け…