恐怖の存在<上>(マイクル・クライトン、酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫)

世界的ベストセラー「ジュラシック・パーク」の著者が、環境問題をテーマに採ったサスペンス・ノベル。世の中のエコブームに冷や水を浴びせるような、かなりシニカルな内容は、日頃から「地球温暖化」に胡散臭さを感じている向きには一種の爽快感をもたらせてくれるだろう。「環境問題のウソ」系のテキストを、エンターテイメント化したらこうなった、という感じ。どうやって話が収束してくのか、下巻が楽しみだ。