第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい(マルコム・グラッドウェル、沢田博、阿部尚美訳/光文社)

人間の「直感」を切り口に、行動心理学にまつわる様々なトピックを集めた本。「とにかく直感を信じろ!」と言っているわけではなく、「直感が正しいこともあるが、大きな間違いを起こすこともある。むしろ間違えることの方が多いから、そうならないように訓練が必要だ」というのが大まかな趣旨。データのサンプル数が少なかったり、疑わしい実験を元にしていたり、科学的な信憑性には疑問符がつくが、まあ軽い読み物しては悪くない。それにしても帯のコピーが「データ、論理、会議はもういらない。ひらめきで判断する驚異の思考法!」ってウソばっかり。ビジネスマン向けの発想関連本と誤認させるような詐欺的商法はマズいだろう。アマゾンを見て気づいたのだが、当初の帯は「人間には理屈を超えた何かがある〜心理学で注目を集める<適応性無意識>とは?」で、サイエンス系の内容をきちんと伝えている。売りがついてこなかったのでコピーを変更したのだろう。