2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

念力図鑑(笹公人/幻冬社)

これまでにない、まったく新しい俳句世界。不意打ち。初めて読んだときはゲラゲラ笑ったが、2度目は深く考え込まされた。17文字の向こうに広がるアナザーワールド。

国家破綻はありえない(増田悦佐/PHP研究所)

この逆説的見解を、本気にしていいのか。「まあのんびり構えていれば大丈夫」と究極の楽観主義。先進国が少子高齢化になるのは当たり前。膨大な債務は公共事業の削減でどうにかなる。世界で最も付加価値の高い製品を作り出せる製造業がある限り、日本の繁栄…

ソニー新世紀戦略(松岡健夫/日本実業出版社)

初版1999年。出井体制絶頂期のPR本。現下の状況で読んでみると、何とも感慨深い。ここまでは良かった。何といっても「ネットマン」を商標登録し、今のi−podとほぼ同じ構想を描いていたのだ。(著作権問題のクリアに手こずったのか?)。平面ブラウ…

デザインと行く(田中一光/白水Uブックス)

かなり期待して読んだのだが、なんということのないエッセイ集で肩透かし。この本で見る限り、それほど教養のなさそうな人物だ。視点の鋭さ、社会批評的な目線も感じられない。語りの内容が全体に浅い。アメリカの広告文化に憧れて「アレをやろうよ」という…

幻想の建築(坂崎乙郎/鹿島出版会)

絵画に描かれた建築物をめぐる美術評論。着想が面白い。小林秀雄風の文学的に過ぎる表現で、ついていくのが結構しんどいが滋味深い。初版が1969年。掲載されている素材はすべてモノクロで裁断もずれている。

カフカの夢(C・S・ホール+R・Eリンド)

カフカの夢日記以外は特に読むところなし。

水声通信/特集:荒川修作の<死に抗う建築>(水声社)

荒川センセイの言うことが相変わらず宇宙的なのは仕方ないとして、特集以外のエッセイや評論が何を喋っているのかまったく理解できない。ここまで閉じた本を初めて読んだ。読まれることを拒否しているのか。奇特な人たちだ。

美しい都市・醜い都市(五十嵐太郎/中公新書クラレ)

批評精神に富む。京都の祇園で電柱をなくしたら、日光江戸村のようになってしまった話など、逆説的な視点もいい。

現代詩手帖2003.12<現代詩年鑑2004>(思潮社)

2003年度の代表詩を何人かの論者が評しているのだが、谷川俊太郎以外の作品は何がどう凄いのかまったく分からない。壮大な冗談なのではないかと思う。極めてブニュエル的な世界。現代詩の世界がここまで閉じたものだとは。

PRの教科書(荻原千史/ディスカバー)

総花的であるがゆえに、読み終わったあとに今ひとつ何かが残らない。しばらくすると内容を忘れている。

問題解決の実学(斎藤顕一/ダイヤモンド社)

これは面白い。できるだけ多くの情報を集め、共通項でくくり、レベルを考えながら配置する。この「フレームワーク」を使えば、問題はきれいに整理できる。硬めのビジネス書にそぐわない、砕けた文体が非常に効果的。

「おたく」の精神史(大塚英志/講談社現代新書)

おたく的視点から80年代のカルチャーを考察する。高みから見下ろすのではなく、著者本人の実体験を中心に語っていくので読みがいがある。非常に愚直。ここに書かれているのは大塚氏の自分史である。

図解Web2.0BOOK(インプレスジャパン)

何度も同じ注釈が出てくる。実に日本人向けの構成。

ガイアの夜明け 闘う100人(テレビ東京報道局=編)

1人当たり約2ページの分量は短すぎる。いくつかのエピソードは実際にオンエアを見たが、かなりニュアンスの違う形でまとめられていることが気になった。他の登場人物のコメントもかなり恣意的に抜き出されているのでは?との疑念が湧く。文庫本で出すのな…

日本の問題点(河出夢文庫)

要点を抑えるには必要にして十分。

ITと呼ばれた子 少年期コミック版(ヴィレッジブックス)

斜に構えて読み始めたが、何度かグッときた。里親制度について考えるきっかけ。原作がやたらとシリーズ化されている。ブックオフで叩き売りされている。

マッターホルン北壁(小西正継/中公文庫)

加藤保男の「雪煙を目指して」を髣髴させる。どこまでも突き抜けた爽快感。全篇に溢れるこの圧倒的な楽天性は何なのか。批判などお構いなしに、思ったことはストレートに口に出す。一緒に登攀するはずの仲間が滑落死しても、中止など考えもせず、当たり前の…