2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

世界恐慌という仕組みを操るロックフェラー(菊川征司/5次元文庫)

事実の隙間を怪しげな断片情報と妄想で塗り固めたハリボテチックな虚構。例えば禁酒法の制定は、石油の需要増を狙うロックフェラーが、自動車用アルコールをガソリンに切り替えさせるために画策したものなのだそうだ。筋書きの強引な陰謀論を展開しては、ロ…

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った(安部芳裕/5次元文庫)

読み終わって良く見たら、何のことはない、陰謀論の徳間書店の本だった。結局この著者は、自分で何も取材してないんである。全部、本やネットの引き写し。まあ、よくまとまった陰謀論のハンドブックってとこか。「日本人が知らない恐るべき事実」はマネーに…

音を視る、時を聴く(大森荘蔵、坂本龍一/ちくま学芸文庫)

「音」と「時間」にまつわる哲学講義、ということで期待したが、生徒役/坂本に対する教師役/大森の回答は、ほとんどすべて説得力のない脳内妄想ばかりである。科学的根拠が欠如している以上、もはや何でもありではないか。初版1982年。こんな内容で許…

情報革命バブルの崩壊(山本一郎/文春新書)

日頃「ネット社会の未来」とやらに振り回され、疲弊するマスコミ業界の願望が詰まったような本。何でもタダで手に入るという、貧乏人の図々しさが極大化したようなネット社会など早々に潰れてしまえば良い。「インフラただ乗り論」は大変参考になった。

ストーリーメーカー 創作のための物語論(大塚英志/アスキー新書)

女子学生の曖昧な習作が、この本のメソッドによって徐々に物語らしくなっていく様がなかなか壮観である。

28の主題 迫慶一郎の建築(TOTO出版)

登場するすべての作品が放つ、凄まじいまでの醜悪さ。周囲との調和などお構いなし、他より目立てばそれでよしという、中国人特有のメンタリティーに、不幸にも建築家の何かが合致してしまったのか。施主も施主だが、便乗する建築家も建築家。こうしたやり取…

ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか(福田一郎/青春新書)

初版、2008年5月。今となってはここに書かれていることすべてが空しい。まさに砂漠の蜃気楼。

巨大投資銀行<下>(黒木亮/角川文庫)

金融小説であり、青春小説である。青臭さを全肯定しているところに、感銘を受けた。勇気を与えてくれるのは、精神の若さである。

次世代広告テクノロジー(織田浩一他/ソフトバンククリエイティブ)

広告の役割を”情報伝達”と捉えれば、究極のゴールは「広告出稿の最適化」である。この視点から多くのネット企業が広告ビジネスに参入し、技術にしのぎを削っている。一方、既存の広告界は広告=商品の一部と考え、そのゴールを「魅力的なコンテンツの製作」…

「わかる」とはどういうことか(山鳥重/ちくま新書)

名著。千金の価値あり。なぜわかるのか。人間は言葉でコミュニケーションするからであり、言葉はロジックであり、ロジックは構造化できるからである。