2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

エスペラント 異端の言語(田中克彦/岩波新書)

どこか怪しげで近寄り難かったエスペラントが、ぐっと身近な存在に。学習用の入門編と歴史的経緯とがバランス良く配分された、新書らしい新書。齢70を過ぎた筆者の、意気軒昂な筆致にも好感。

偶然のチカラ(植島啓司/集英社新書)

帯がいい。「あまりに名著。遺書かと心配になった」(名越康文氏/精神科医)。偶然−必然にまつわる雑学本として気軽に楽しめる。もちろん、答えなどない。

経済は感情で動く(マッテオ・モッテルリーニ、泉典子訳/紀伊国屋書店)

さまざまな心理ゲームを通して、われわれの経済行動がいかに非合理的なものであるかを解き明かす。考えてみれば当たり前のことである。欧米人というのは合理主義という幻想に囚われた気の毒な人種だと思う。マーケティングとはその病理の最大の発露である。…

会話がとぎれない!話し方66のルール(野口敏/すばる社)

ここに出てくる失敗例が、ことごとく自分にあてはまる(笑)。「会話とは感情のやり取りである」。この革命的発想。

your road map for success -you can get there from here (john c.maxwell/nelson business)

2010年をスタートするにあたり、この本に出会えたことを幸運に思う。人生の方向性に大きな変化を与えた本として、己の記憶に強く刻まれるだろう。タイの書店で、強いオーラを発しているように見えたのは、錯覚ではなかった。

デジタルネイティブが世界を変える(ドン・タプスコット/翔泳社)

なんだかスゴい時代になってしまった。著者が躍起になって擁護すればするほど、ダメな若者世代が育って行くようにしか思えない。ボランティアの参加人数が多少増加したところで、大勢に影響なし。仕事への意欲が薄く、娯楽の渦に耽溺するだけの若者たちが量…

クラウド時代と<クール革命>(角川歴彦、片方善治監修/角川ONEテーマ21)

情報化社会の現状と近未来を、アルビン・トフラーが憑依したかのような、凄まじい物量で語り尽くす。ワトソンの「5台のコンピューター」の予言、迫りくるコンテンツ大統合時代、世界規模の著作権団体による業界支配...。総花的な情報の随所に、刺激的な論考…

ロボットの心 7つの哲学物語(柴田正良/講談社現代新書)

ここ最近読んだ本の中で、最も異質。扱っている事象も、文体も、どこか浮世離れしている。天才の脳の秘部、凡人が見てはいけない領域を覗かせてもらっているような・・・。各章の冒頭に掲げられたSF風短編のレベルが高い。何とも不思議な読書体験。

パンデミックとたたかう(押谷仁、瀬名秀明/岩波新書)

興味深いテーマだが、あくまでさわりといった程度で内容は薄い。ブックガイド、ウェブガイドとして多少は役に立つ。瀬名の知識が本の引用ばかりだというのは分かった。

ITリスクの考え方(佐々木良一/岩波新書)

資料として買ったが、専門的で無味乾燥。「重要インフラー重要情報インフラ」の図式と、「あらゆる手段を講じて再発防止」が単なる思考停止であるという視点が、わずかな収穫。

ガラパゴス化する日本(吉川尚宏/講談社現代新書)

日本の構想力のなさは致命的。こんなにもったいないことをしている国が他にあるのか。

ナガオカケンメイの考え(ナガオカケンメイ/新潮文庫)

オシャレ家具のプロデューサーは見かけによらず熱い人だった。人間的にかなり泥臭く、付き合うのが面倒くさそうなタイプだが、歯に衣着せぬ物言いに頑固職人風の愛らしさを見た。

わかりやすく<伝える>技術(池上彰/講談社現代新書)

さすが、経験から導かれたノウハウは強い。まるで講座に居合わせているかのような臨場感。「隠れマジックワード」「複眼思考」など、類書では見たことのないアイデアに目からウロコ。