明日に向かって捨てろ!!(BOSE/双葉社)

erevan2009-02-21

自分の部屋をなかなか整理できないBOSEスチャダラパー)が、次々と不要なモノを捨てていく「片付けドキュメンタリー」・・・のはずが、作業は遅々として進まない。どころか、編集者が訪問するたびに逆に新しいアイテムが増えている。二人の、妙に日常的でユル〜いやり取りが面白く、「しょうがねえなあ」と苦笑しながらサクサクと読めてしまう。「ほぼ日」の連載企画ということもあり、1度読んだらもうオシマイ的な内容かと思いきや、特別編の「出張訪問」で裏切られた。漫画家・しまおまほの実家を訪問した二人が、まるでナウシカ腐海のような壮絶な光景を目の当たりにして、「住まうとは何か」という哲学的なテーマをじっくり考察する。このパートだけで、かなり読ませる。編集者的感性とは、いかにも軽いトーンで物事の奥に潜む哲学的な実相を探りあてることなのだ、と感服。