2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日本人が知らない恐るべき真実(安倍芳裕/晋遊舎)

ロスチャイルド云々の話に、またぞろ陰謀説系かと思ったのだが、飛んでもない。「カネ」に対する考え方が根本から覆される衝撃的な一冊。脳を揺さぶるインパクト、足下の現実が抜け落ちたかのような喪失感は、岸田秀の「唯幻論」以来か。手元の札をじっと見…

フラット化する世界<下>(トーマス・フリードマン、伏見威蕃/日経経済新聞社)

「現場報告」篇だった上巻に対し、下巻は「対策」篇。「フラット化する社会」にどう対応し、働き、生きていけば良いか。主にアメリカ人の読者に向けて様々な処方箋を提示する。繰り返し「教育の充実」を訴えるなど興味深い点はあれど、その過度に愛国的な姿…

世界金融危機 開いたパンドラ(滝田洋一/日経プレミアシリーズ)

ここ1年前後の金融危機関連トピックを、時系列的に集約した本。その時々のニュースに対する当時のコメントをそのまま並べている感じなので、生々しい臨場感にあふれている。執筆から出版まで凄まじいスピードで行われたらしく、出版直前のニュースまで盛り…

自己プレゼンの文章術(森村稔/ちくま新書)

学生向けに書かれた、就職活動用の「作文」指南書。ビジネスにはあまり役立たないが、珍しい視点の文章読本として興味深く読んだ。要は、”すべての出題に「自分」を絡めて書け”。たとえ馴染みのないテーマでも、過去の経験を総動員してなんとかお題に結びつ…

できる人の要約力(本間正人、浮島由美子/中経出版)

トレーニング形式で要約力を鍛えられる良書。情報洪水で溺死しないために。

自然な構造体(フライ・オットー他、岩村和夫/鹿島出版会)

1980年代に、「エコロジーと住宅」について深く洞察していた著者たちの研究成果。この思想が一般化されるまでに30年以上の月日が必要だったのだ。

プレゼンテーションのノウハウ・ドゥハウ(HRインスティテュート、野口吉明/PHP文庫)

プレゼンテクニックを網羅しつつ、人生論風の哲学的考察を交えたり、呼吸法や発声法の指導に多くを割くなど、一風変わった視点が盛り込まれている。これだけの内容で5百数十円とはなんともお買い得。

やまだ眼(山田一成、佐藤雅彦/毎日新聞社)

山田による「日常のささいな気づき」のワンフレーズに、佐藤雅彦が必要以上に高尚な解説を加える。「ボケ/つっこみ」ならぬ「発見/分析」という笑いの新フォーマット?

千年、働いてきました(野村進/角川oneテーマ21)

世界レベルの技術力を誇りながら、中小零細の立場に甘んじなければならない摩訶不思議。

新編 宮沢賢治詩集(天沢退二郎編/新潮文庫)

これはしんどい。詩集の上限年齢はやはり高校生くらいまでか。

賭ける魂(植島啓司/講談社現代新書)

宗教人類学者のギャンブル・エッセー。競馬やルーレットなど、各種ギャンブルから学び取った人生訓がなかなかタメになる。