2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

23分間の奇跡 (ジェームス・クラベル/ 青島幸男訳・集英社文庫)

タイトルと背表紙のあらすじだけ見ると、理想教育を語った象徴性の高い物語かと思う。実際、中盤まではそのように進む。敗戦国の小学校に赴任してきた戦勝国の若き女性教師が、全体主義的な教育を施されてきた生徒たちに、自由の素晴らしさを伝えていく。始…

マーケティングの神話(石井淳蔵/岩波書店)

科学主義に対する否定的見解を敷衍し、マーケティングを「神話」と喝破。ビジネス界にあふれる「成功談」のほとんどが後付けであるという、ほぼ間違いのない事実を出発点に、巷にあふれるマーケティングの常識をモノの見事に解体していく。まさにマーケティ…

会話術(松本幸夫/秀和システム)

同シリーズの一冊。こちらの方が実践的。「賢く見せる会話術」など、あからさまな視点に好感。

プレゼン術(茂木俊明/秀和システム)

「ビジネス・スキルズ ベーシック」シリーズの一冊。プレゼンの定義=「ビジネスプランをわかりやすく伝えることで予算の承諾を得る場」に目からウロコ。特別目新しいことは書かれていないが、基本に立ち返るためにこのシリーズは揃えておいてもいい。「腹式…

Window Seat: Reading the Landscape from the Air(GREGORY DICUM/CHRONICLE BOOKS)

北米各地の空撮に地形・植生などの学術的コメントを付したもの。ブックデザインからすると、もっと軽めの内容かと思ったが、かなり真面目な地理学の本。ビジネストリップのお供に、というには結構お固い。高校地理のサブテキストにはいいかも知れない。ヨー…

バカ売れキャッチコピーが面白いほど書ける本(中山マコト/中経出版)

キャッチコピー、といっても主に店頭POP向け。使用者実感をそのまま書き写せ、という主張には実績に裏付けられた強いリアリティがある。この本で参考になるのはコピーそのものよりも、著者の語り口かも知れない。「そう思いませんか?」と問われて100…

論理的な話し方が面白いほど身につく本(茂木秀昭/中経出版)

説得の要素として、アリストテレスの「論理(ロゴス)」「感情(パトス)」「信頼性(エトス)」を挙げ、それぞれが「説明広告・比較広告」「イメージ広告」「ブランド力」に対応するという説は面白い。著者独自の思考ツール「三角ロジック」はやや分かりに…

行動主義 レム・コールハース ドキュメント(瀧口範子/TOTO出版)

コールハースの言動そのものよりも、それを解釈し解説を加える著者の膨大な知識と情報量に圧倒される。いわば、コールハースを素材にしたフィールドワークの報告書。文章の至るところに埋め込まれた刺激的な情報の数々、その密度の濃さが、コールハースの著…