2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

不毛地帯(四)(山崎豊子/新潮文庫)

全巻読了。時代的空間的なスケール感の大きさ。企業小説でもあり教養小説でもある。シーンが映画的。読み応えがあった。読み終えるのが惜しかった。登場人物の心理の動きがしばし迷走し、読み手から距離が出始めたかと思いきや最後にぐいっと着地するあたり…

グーグル(佐々木俊尚/文春新書)

グーグルのPR的な部分が7割、残り3割が危険性に対する警鐘というところか。いいバランス。グーグルの目指すところは「広告出稿の最適化」とひとまず認識しておけば良さそうだ。毎日新聞の記者上がりということもあり、挿入されるエピソードが作り事っぽ…

日本の外交は国民に何を隠しているのか(河辺一郎/集英社新書)

「アメリカだけでなく日本も国連分担金を滞納している」という事実にまず驚く。巨額な分担金拠出を背景にして、日本が国連で様々な外交力を行使しているという事実に二度目の大きな驚きがある。したたかな戦略。なかなかやるではないか。著者が憤る理由が最…

「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか(谷原誠/あさ出版)

「さおだけ屋はなぜ潰れないか」と近似した企画コンセプト。一見とっつきにくい専門分野のプロが、身近な例で分りやすく解説する新書的な内容。こちらは弁護士がごく初歩的な論理学を講義する。①議論を始める場合はまず議題をきちんと定義する。②議論と個人…

メディアは戦争にどうかかわってきたか(木下和寛/朝日新聞社)

著者自身が朝日新聞の記者だったので、かなりバイアスが掛かっているのだろうと思って読んだが、視点は極めてニュートラル。情報量が多く、数々の知見に溢れていて、整理された読みごたえのある名著。

自民党という不思議(別冊宝島)

サマリーとして便利。三木武吉を突っ込んで調べてみたい。

アキハバラ@DEEP(石田衣良/文春文庫)

次が読みたくなるストーリーテリングはなかなかのもの。対象年齢は15歳以下というところだが、そのくらいの年代向けに、現実世界に題材を採った品行方性なエンタテイメントを作れる才能は貴重だ。

言霊Ⅱ(井沢元彦/詳伝社黄金文庫)

前著を上回るこじつけぶり。ここに挙げられた内容は、「言霊理論」抜きで全部説明がつく。言葉の言い換えで実態をごまかし、状況をプラスに見せようとする行為は、世界中の人間がやっていることで、日本人に特有の現象ではない。「イラクの自由作戦」とか。

美しい国へ(安倍晋三/文春新書)

正しく中道。