2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 鷲は舞い降りた<完全版>(ジャック・ヒギンズ、菊池光/ハヤカワ文庫)

娯楽小説として非常に楽しめた。古典的なメロドラマ的展開は韓流のような安心感がある。田舎娘の愛すべきキャラクターが心に残る。

 血と暴力の国(コーマック・マッカーシー、黒原敏行/扶桑社ミステリー)

驚くべきは、コーエン兄弟が小説をそのまま映画にしている事実。ストーリー展開、シチュエーション、キャラクター、どれもまったくそのままで、ほとんどこれはノベライズだ。行きずりの家出少女のところだけが変更されているくらいか。映画を見てから読むと…

 食の終焉(ポール・ロバーツ、神保哲生/ダイヤモンド社)

「食の危険性」をテーマにドキュメンタリーを作ることになったら、とにかく買っておくべき完全無欠の参考書。

 オートバイ(A.ピエール・ド・マンディアルグ、生田耕作/白水Uブックス)

バイクという有機的マシンの怪物性を始まりから終わりまで一直線の快楽で描き尽くす。これほどカッコイイ短編があったろうか?最後はやはりこうならざるを得ないとは思いつつ、そこを裏切って欲しかった。

 仏教、本当の教え(植木雅俊/中公新書)

日本で寿司文化が死に絶え、わずかにカリフォルニアに残ったとして、そこのアメリカ人シェフたちがアメリカ人に寿司道を説くようなことを、日本仏教はずっとやってきたということである。神妙な顔をして。

 殺す(J・G・バラード、山田順子/創元SF文庫)

内容はもはやどうでも良い。読める喜び。

 つながらない生活(ウィリアム・パワーズ、有賀裕子/プレジデント社)

テーマはキャッチーだが「だからどうする?」という肝心な部分に何ら提案性がなく、老人のぼやきにしか聞こえない。

 ソングライン(ブルース・チャトウィン、北田絵里子/英治出版)

分厚いのでなかなか手が伸びないが読みだすと面白い。旅の深度が凡百の紀行物と比べてはるかに深いから、はじめに「深夜特急」を読むかこっちを読むかで旅の方向性がまるで変わってしまうだろう。前者は対象年齢が20代だが、こちらは40才を過ぎてからで…

 生命の意味論(多田富雄/新潮社)

 生命を捉えなおす(清水博/中公新書)

 自己組織化と進化の論理(米沢富美子/ちくま学芸文庫)

テーマには興味あれど、内容が専門的過ぎて中途挫折。

 自己組織化する宇宙(エリッヒ・ヤンツ、芹沢高志、内田美恵訳/工作舎)

我々は宇宙そのものを創発しているのである。生きる意味を猛然と掻き立てる稀代の怪書。