2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

戦略PR(本田哲也/アスキー新書)

名著「明日の広告」の続編的内容と喧伝する割に中身がない。実績が乏しく、及び腰な筆致が説得力を欠く。プレスリリースの配信やパブリシティ中心の地道な日本型PRと、政治や戦争まで動かすダイナミックな欧米型PRとは、様態に大きな隔たりがあり、著者の意…

エア新書(石黒謙吾/学研新書)

立ち読みした時は面白そうと思ったが、買って読んだら全然笑えない。自主規制で腰が引けた、毒のないおちょくりばかり。新書タイトルの構造解析図や、ネタ開発のプロセス図だけはまあ役に立つ。

ブリッジマンの技術(鎌田浩毅/講談社現代新書)

他人と話が通じないのは、地域や年代、職業などによって異なる互いの「フレームワーク」の問題なのだという。「センス」「生き方」「価値観」云々といった諸事象を「フレームワーク」一つで括ってしまったアイデアに脱帽。今後人と接するときに「この人のフ…

沈黙のファイルー「瀬島龍三」とは何だったのかー(共同通信社社会部編/新潮文庫)

山崎豊子「不毛地帯」で主人公のモデルとなった瀬島隆三氏。小説ではきわめてヒロイックに描かれていたその実体を知るべくこの本を手にしたのだが・・・何も書かれていない。瀬島氏を遠巻きにしながら、表層的な周辺情報でなんとか紙面を埋めている感じ。企…

「温暖化」を食いものにする人々(別冊宝島編集部 編/宝島社)

たとえ「地球温暖化」が妄説だったとしても、数々の関連ビジネスや利権が生まれ、結果的に世界経済がうまく回ってくれるのであればそれもいいではないか。そんなことを思いつつ、ブッシュのイラク侵略と似たような論理だということに気づく。

誰も書かなかった日本医師会(水野肇/ちくま文庫)

政治的暗部にメスを入れた内幕物かと期待したが、会長人事がどうのとお行儀の良い通史的内容に肩透かし。

斉藤ひろしのシナリオ教室(雷鳥社)

脱力系の語り口ながら、数々の有名作品を手がけた実力者ならではの、ツボを押さえた解説はタメになる。とにもかくにも、学ぶべきは「常識」である。シナリオライターにしろ、クリエイティブ・ディレクターにしろ、これが欠けていてはロクな物がつくれない。