2011-01-01から1年間の記事一覧
実務レベルの詳細な解説が役立つ。
万人向けの清純派SFライトノベル。「時をかける少女」の読後感。
初版2007年。読みそびれているうちに社会状況も一変。旧来型ジャーナリズムの墓標として、若干の読む価値ありか。
要再読。
老子/道徳経の超訳版といったところだが、特に響いてくる言葉がなかった。
バラードにしては退屈な短編集。表題作だけがまあ読める。「デスノート」みたいな作品もあり。
内容の良し悪しは別として、もし自分がクライアントだったら、この人の話には聞き入ってしまうだろうと思わせる話術がある。プレゼンは人なり。結局有名になるのは、そういう人なのだ。
非常につかみのあるコンセプトだが、ハードカバーを最後まで読み切らせる程のネタ力はなく、後半失速。タイトルの勝利。
一見バラバラなプロットが見事なまでに収斂されていく。巧みな構成力に、震えるようなカタルシスを得た。フランスらしい、どこか詩的で哲学的な深みがある会話も好きだ。後半のカミュ、カフカ的な、不条理な審判に飲み込まれていく展開もいい。ビュトールの…
近所の老朽化したマンモス団地の書店に、異常とも思えるほどの加藤諦三のラインナップが揃っていた。客層がなんとなく想像ついた。まとめ買いには便利だったが。
メディアの最適化はできるかもしれないが、クリエイティブの最適化はいまだ難しい。という一点のみで広告業界の制作チームは余命を保っている。
この手の本の読書法としては、やはり徹底して読み漁ることだと思う。残り3冊。
読めば納得、内容保証済み。そろそろ加藤本を卒業しようかと思いつつ、まだ数冊購入してあるものを消化せねばならない。
「アンダーグラウンド」で被害者側のインタビューを手掛けた村上春樹が、今度はオウム信者側の声をまとめたのが本書(副題はアンダーグラウンド2)。取材対象が主に若者たちなので、その思考回路が素直に明かされて興味深い。語り口が村上春樹の小説の登場…
ウェブまわりの微視的なトレンドを追うアスキー新書周辺に辟易していたところへ、俯瞰的でダイナミックな切り口の本書が登場。最後までグイグイ読めるハンパない馬力で「ウェブ社会の源流にアメリカのヒッピームーブメントあり」ということを各種資料で論証…
このタイミングで読んだことで、深くしみじみと共感する。薄暗さによって羊羹がうまく感じる。日本女性の化粧も薄暗さを前提にしている、などの考察が興味深い。執筆されたのは昭和ヒト桁だが、当時から既に周囲の騒音に苦言を呈していたりして面白い。
ヤマハ出身でJR新宿駅の発車サウンドなどを手掛けた著者。その場に空気やエネルギーを生み出すような音場デザインについて丁寧に、濃厚に語られていく。仕事の内容も面白いが、著者の哲学やビジョンが宇宙的に突き抜けていて、そこに非常に魅せられる。
論理よりも空気。空気という魔物に支配されてしまう日本人。確かに言い得ていると思う。ただ日本に固有の現象かというと、そうでもない気がする。
眺めているだけで音像がイメージされる「図形楽譜(ビジュアルスコア)」の実例が満載。これだけでも十分手に入れる価値がある。
新潮系ならではの「ジジ放談」。なんとも清々しい。
「多軟面体」シリーズなど、独自の有機的な造形で知られる陶芸家の散文集。陶芸自体は素晴らしいが、お世辞にも文才があるとは言えず。
陰謀論からの脱却。まともな頭になるために。
再読した「白痴」の凄みと完成度には圧倒されたが、その他の作品群があまりにも凡庸で驚いた。想像の域を出ない女性心理のギクシャクした描写など、読んでいて相当イタい。この作家の本質がよく分からなくなった。
出版後に出た「週刊ダイヤモンド」の”フリー特集”を読んでしまえば、本編を読む必要はあまりないかもしれない。あまりにもスラスラ読めるので驚いた。
現役のハリウッド脚本家によるシナリオライティング講座。形式張らないカジュアルな語り口が魅力だ。一番興味を惹いたのが「プロット・ライン・グラフ」。映画の開始から終了までを1本の線で表したグラフで、ストーリー上の重要な転換点を目安となる時間と…
テレビ、新聞、雑誌など世界の主要メディアに取材。その歴史的背景と独特のブランド戦略をひもとく。各パートの分量が少なく、ワンパターンの記述が多いが、ネット戦略なども押さえており参考になる。
中国系ネット企業「アリババ」の勃興を、創業者・馬雲の行動を軸に描いたノンフィクション。急成長の背後に孫正義の強い影響力があったことは驚き。
「ガロ」でつげ作品を担当していた編集者が、「ねじ式」「海辺の叙景」など主要作品の舞台を訪れ、その背景を語る。マンガ内のワンカットと現場写真との対比が興味深い。巻末に著者とつげ本人との対話もあり。
扱っているテーマは本質的に一つなのだが、よくこれほどまでの切り口を生み出せるものだと感心する。メンタルケア界の安打製造機。