2011-01-01から1年間の記事一覧

 ウェブPRハンドブック(吉池理/日本能率協会マネジメントセンター)

実務レベルの詳細な解説が役立つ。

 夏への扉(ロバート・A・ハインライン/福島正実、ハヤカワ文庫)

万人向けの清純派SFライトノベル。「時をかける少女」の読後感。

 メディア・イノベーションの衝撃(デジタルジャーナリズム研究会/日本評論社)

初版2007年。読みそびれているうちに社会状況も一変。旧来型ジャーナリズムの墓標として、若干の読む価値ありか。

 イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」(安宅和人/英知出版)

要再読。

 タオ 老子(加島祥造/ちくま文庫)

老子/道徳経の超訳版といったところだが、特に響いてくる言葉がなかった。

 時間都市(J.G.バラード、宇野利泰訳/創元SF文庫)

バラードにしては退屈な短編集。表題作だけがまあ読める。「デスノート」みたいな作品もあり。

 マーケティングはつまらない?(関橋英作/日経BP社)

内容の良し悪しは別として、もし自分がクライアントだったら、この人の話には聞き入ってしまうだろうと思わせる話術がある。プレゼンは人なり。結局有名になるのは、そういう人なのだ。

 2択思考(石黒謙吾/マガジンハウス)

非常につかみのあるコンセプトだが、ハードカバーを最後まで読み切らせる程のネタ力はなく、後半失速。タイトルの勝利。

 死刑台のエレベーター(ノエル・カレフ、宮崎嶺雄訳/創元推理文庫)

一見バラバラなプロットが見事なまでに収斂されていく。巧みな構成力に、震えるようなカタルシスを得た。フランスらしい、どこか詩的で哲学的な深みがある会話も好きだ。後半のカミュ、カフカ的な、不条理な審判に飲み込まれていく展開もいい。ビュトールの…

 イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策2(ジョン・J・ミアシャイマー、スティーブン・M・ウォルト、副島隆彦訳/講談社)

 心の休ませ方(加藤諦三/PHP文庫)

近所の老朽化したマンモス団地の書店に、異常とも思えるほどの加藤諦三のラインナップが揃っていた。客層がなんとなく想像ついた。まとめ買いには便利だったが。

 広告新時代 ネット×広告の素敵な関係(電通)

メディアの最適化はできるかもしれないが、クリエイティブの最適化はいまだ難しい。という一点のみで広告業界の制作チームは余命を保っている。

 自分のうけいれ方(加藤諦三/PHP文庫)

この手の本の読書法としては、やはり徹底して読み漁ることだと思う。残り3冊。

 行動してみることで人生は開ける(加藤諦三/PHP文庫)

読めば納得、内容保証済み。そろそろ加藤本を卒業しようかと思いつつ、まだ数冊購入してあるものを消化せねばならない。

 約束された場所で(村上春樹/文春文庫)

「アンダーグラウンド」で被害者側のインタビューを手掛けた村上春樹が、今度はオウム信者側の声をまとめたのが本書(副題はアンダーグラウンド2)。取材対象が主に若者たちなので、その思考回路が素直に明かされて興味深い。語り口が村上春樹の小説の登場…

 ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力(池田純一/講談社現代新書)

ウェブまわりの微視的なトレンドを追うアスキー新書周辺に辟易していたところへ、俯瞰的でダイナミックな切り口の本書が登場。最後までグイグイ読めるハンパない馬力で「ウェブ社会の源流にアメリカのヒッピームーブメントあり」ということを各種資料で論証…

 陰翳礼讃(谷崎潤一郎/中公文庫)

このタイミングで読んだことで、深くしみじみと共感する。薄暗さによって羊羹がうまく感じる。日本女性の化粧も薄暗さを前提にしている、などの考察が興味深い。執筆されたのは昭和ヒト桁だが、当時から既に周囲の騒音に苦言を呈していたりして面白い。

 見えないデザイン サウンド・スペース・コンポーザーの仕事(井出祐昭/ヤマハミュージックメディア)

ヤマハ出身でJR新宿駅の発車サウンドなどを手掛けた著者。その場に空気やエネルギーを生み出すような音場デザインについて丁寧に、濃厚に語られていく。仕事の内容も面白いが、著者の哲学やビジョンが宇宙的に突き抜けていて、そこに非常に魅せられる。

 「空気」の研究(山本七平/文春文庫)

論理よりも空気。空気という魔物に支配されてしまう日本人。確かに言い得ていると思う。ただ日本に固有の現象かというと、そうでもない気がする。

 サウンドスケープーその思想と実践(鳥越けい子/SD選書)

眺めているだけで音像がイメージされる「図形楽譜(ビジュアルスコア)」の実例が満載。これだけでも十分手に入れる価値がある。

 ほんとうの環境問題(池田清彦、養老孟司/新潮社)

新潮系ならではの「ジジ放談」。なんとも清々しい。

 木の肉(伊藤公象/学芸通信社)

「多軟面体」シリーズなど、独自の有機的な造形で知られる陶芸家の散文集。陶芸自体は素晴らしいが、お世辞にも文才があるとは言えず。

 イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策1(ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト、副島隆彦訳/講談社)

陰謀論からの脱却。まともな頭になるために。

 白痴、青鬼の褌を洗う女(坂口安吾/講談社文芸文庫)

再読した「白痴」の凄みと完成度には圧倒されたが、その他の作品群があまりにも凡庸で驚いた。想像の域を出ない女性心理のギクシャクした描写など、読んでいて相当イタい。この作家の本質がよく分からなくなった。

 フリー(クリス・アンダーソン、小林弘人・監修解説、高橋則明訳/NHK出版)

出版後に出た「週刊ダイヤモンド」の”フリー特集”を読んでしまえば、本編を読む必要はあまりないかもしれない。あまりにもスラスラ読めるので驚いた。

 映画ライターズ・ロードマップ(ウェンデル・ウェルマン、吉田俊太郎訳/フィルムアート社)

現役のハリウッド脚本家によるシナリオライティング講座。形式張らないカジュアルな語り口が魅力だ。一番興味を惹いたのが「プロット・ライン・グラフ」。映画の開始から終了までを1本の線で表したグラフで、ストーリー上の重要な転換点を目安となる時間と…

 世界を制した20のメディア(マーク・タンゲート、氷上春奈訳/トランスワールド)

テレビ、新聞、雑誌など世界の主要メディアに取材。その歴史的背景と独特のブランド戦略をひもとく。各パートの分量が少なく、ワンパターンの記述が多いが、ネット戦略なども押さえており参考になる。

 アリババ帝国(張剛、永井麻生子・王蓉美・王彩麗訳/東洋経済新報社)

中国系ネット企業「アリババ」の勃興を、創業者・馬雲の行動を軸に描いたノンフィクション。急成長の背後に孫正義の強い影響力があったことは驚き。

 つげ義春を旅する(高野慎三/ちくま文庫)

「ガロ」でつげ作品を担当していた編集者が、「ねじ式」「海辺の叙景」など主要作品の舞台を訪れ、その背景を語る。マンガ内のワンカットと現場写真との対比が興味深い。巻末に著者とつげ本人との対話もあり。

 不安のしずめ方(加藤諦三/PHP文庫)

扱っているテーマは本質的に一つなのだが、よくこれほどまでの切り口を生み出せるものだと感心する。メンタルケア界の安打製造機。