ヤバいぜっ!デジタル日本(高城剛/集英社新書)

ヤバいのは、高城氏本人。WEB2.0関連の本をまとめて読んできた目で見ると、内容のアナクロぶりにギョッとする。全体に漂うのは「10年前に予想された未来図」的世界観。「コピー&ペースト」「ハイブリッド・スタイル」・・・キーワードが相当に時代遅れ。聞きかじりの情報と根拠無き思い込みをつなぎ合わせ、一方的に喋り捲る。読後感として頭に浮かんだのは、「バブル」の一文字。いまだに生き長らえていたバブルの徒花。グーグル、アマゾン率いるデジタル新大陸が出現し、デジタル系クリエイターの第一人者としてこの世の春を謳歌していた彼の世界は悲しくも「旧大陸」となってしまった。ただ、未だに社会的な利権は旧大陸の連中に握られているわけで、その意味では今後も十分商売していけるだろうが。「俺、ちゃんとここにいますよ」