行動主義 レム・コールハース ドキュメント(瀧口範子/TOTO出版)

erevan2007-09-09

コールハースの言動そのものよりも、それを解釈し解説を加える著者の膨大な知識と情報量に圧倒される。いわば、コールハースを素材にしたフィールドワークの報告書。文章の至るところに埋め込まれた刺激的な情報の数々、その密度の濃さが、コールハースの著作群と見事な相似をなす。最初に取材を申し込んだ時、「僕と本を作りたいのか、それとも僕の本を作りたいのか」と問われ、一瞬迷って後者を選んだという著者。結果的には、極めてコールハース的な、合作と言ってもいい良書に結実した。