マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(マイク・マクゴニガル、クッキーシーン監修/P-Vine BOOKs)

erevan2009-09-22

マイブラの大ファンであるアメリカの音楽ライターが、ケヴィン、ビリンダなどバンドメンバーやレーベル関係者などに取材し、伝説的名盤「loveless」の制作過程を明らかにしていく。
このアルバムについては、リリース後から相当聞き込んできたし、20世紀のポップミュージックをすべて飲み込んだ未曾有の傑作だと確信するが、彼らがアイルランド出身だということを、不覚にも本書で初めて知った。ドラムパートのほとんどがサンプリングで、その他の楽器はすべてケヴィンが弾いていたのだという事実も初耳。わざわざネットで情報を集め回るほどのファンではないので、興味深いネタが随所に散りばめられていて楽しんだ。
正直なところ、取材量は乏しく、食い足りず、本人の思い入ればかりが空回りしている部分はある。ファンジンの延長のような感じで、むしろそこに好感が持てたりするが。この本を手にしたお陰で久しぶりにアルバムを聞き直し、タイムレスな衝撃に打ちのめされた。