アメリカの鱒釣り(リチャード・ブローティガン、藤本和子訳/新潮文庫)

erevan2009-07-12

内容もさることながら、この訳文に村上春樹が多大な影響を受けたんだそうだ。なるほど。「芝生の復讐」で感じた謎が解けた。さてブローティガンのすべてが詰まっていると言われる本書。冒頭から妙にまだるっこしく、独りよがりな訳文が鼻につき、途中かなり読み飛ばしてしまった。後半、訳文が落ち着いてくると俄然面白くなってくるので、初訳ということで訳者の肩に力が入り過ぎていたのかも知れない。そういう意味でも全篇に安定感のある「芝生の復讐」から先に入ることをお勧めする。