女の一生(モーパッサン/新庄嘉章訳/新潮文庫)

よく言えば純真、悪く言えば幼稚な主人公・ジャンヌの一代記。今ならさしずめ連続テレビ小説か昼メロのような展開。いつまでも子離れできず、生活力もなく、追憶に浸って生きるだけの後半生には辟易とするが、細部の心理描写はさすが。ラストの救いの無さに、逆に救われた気分になる。