2010-01-01から1年間の記事一覧
批判的な部分はほぼ皆無、やんわり擁護に回っている時点でアウトだが、R25あたりの読者には向いているのかも知れない。
ロシアの政治中枢のことなんか、外からじゃ何も分からないのだと宣言している時点ですごい。言い換えともったいぶったキーワードばかりでほとんど何も書いていない。新書濫造の数合わせ的な企画か。
コミュニケーションの原点は「質問」にあるのではないか、と思うくらいの有用性。これ一冊あれば、日常の会話術からビジネスシーンの交渉術まで様々に応用が効く。ノウハウ本の域を超え、優れて実用的な自己啓発本。
フィールドワークの事例報告は、現代から見るとかなりエキセントリックなものばかりで、次第に食傷してくる。見事なまでに消失したとはいえ、ほんの30年前まで行われていたこれら習俗のドープな世界。アスファルトに封じ込まれた、禍々しき我が国の実相。
「消費税論の決定版」と豪語するが、中小零細企業サイドに立って感情論を振りかざし、消費税反対を訴える極めてイデオロジカルな本である。この共産党的発想。対案は累進税率を20年前に戻し、事業仕分けをし、各種税率を一律1%ずつ上げることだそうだ。
「知性の限界」に比べると小難しく、堅苦しい。専門性が高すぎて、置いていかれる部分も。これを読まなくても、エンタメとしての完成度が高い「知性の限界」一冊で十分お腹いっぱい。
哲学、論理学、言語学、物理学、生物学、宇宙科学・・・などなど。理系と文系の垣根を取っ払い、各種ジャンル総動員で楽しむ知的異種格闘技本。ハイレベルな内容を徹底してエンタテイメント化した恐るべき手腕。
うまい話にご用心、なのである。勝間和代がさんざん煽った投資信託には少々痛い目にあったが、FXや金投資はおろか住宅ローンや生命保険にも手を出していない自分に「やっぱりね」と妙な安堵感を持たせてくれた良書。地道にコツコツ貯金です。
アップル/ジョブズ関連の既出本と唯一差別化できるのは、各章の最後にある「教訓」パートなのだが、これが100%役立たない。天才による独裁企業から一体何を学べるというのか?
「沼」のエロス、「海辺の叙景」のセンチメンタリズム。この2作だけでも充分に買い。
以前から惹かれていたエリアだが、本書によって概略がはっきりした。要点を余すところなく簡潔に押さえた良書。アルメニア以外も是非訪れてみたいものだ。
「キズナのマーケティング」で賞賛され、アドボカシー・マーケティングという新味あるワードに惹かれて読んだが、特に得るものはなし。数少ない成功事例を説得材料とする、凡百のマーケ本と大差ない手法論。
冒頭に掲げられた賞賛コメントの嵐に期待が膨らむが、大したことは書かれていない。これを読んで鼓舞されるのは、さしたるアイデアもない夢見る学生たちだけだろう。イノベーションとは、ごく一部の偏執狂的な天才によって生み出されるものであり、一般人が…
広告に科学を持ち込んだ男、デビッド・オグルビー。きらびやかな広告黄金時代を眩しく眺める。
再読。サラリーマンであることをもっと利用せよ、という主張は今読んでも心強い。この著者は今にして思えば勝間和代的なポジションにいたとも言えるが、最近はどうしているのか?本棚整理で処分しようと思ったがキープ。
現役の精神科医が考察する、精神医学の根本的諸問題。抗うつ剤にまつわる製薬資本の「需要誘導」や、精神障害の発生源としての「家族内価値観」など、いくつかの素材は面白い。高尚な哲学的テーマを掲げた割に思想的には凡庸。
「平和な仏教国」のイメージが覆されること必至。血なまぐさい権力闘争、謀略、奸計、政略の数々。チベットは、生々しい欲望がダイナミックにぶつかりあう、人間くさい国家だったのだ。巻末のブックリストが充実。モンゴル含め、この国との距離感が一挙に縮…
自衛隊に体験入隊した当時の三島をコーチ役など複数の関係者が語る。マッチョイズムの裏にある肉体的コンプレックスなど、語り尽くされたテーマをなぞるような感じで、特別な発見はない。心温まる、切ない昔話。極めて演劇的な、愛すべきキャラクターだった…
ハードカバーで500ページ弱。労作には違いないが、どうでもいいようなことを、よくぞここまで調べ上げたという感じ。文学に限らず芸術全般がバリエーションを楽しむものなんだから、こんなところに教条主義を持ち込むのは愚の骨頂。パクられたと騒げば騒…
「2001年宇宙の旅」「イージー・ライダー」「猿の惑星」「時計じかけのオレンジ」など、60〜70年代の名画にまつわる映画オタク的なトリビア集。周辺資料をいくら掻き集めても映画製作の真相に辿り着くことなんか不可能なわけで、まあ茶飲み話のネタ…
言ってることは正しいが、議論が稚拙。ここからは何も生まれない。ネット系代理店(?)に騙されたクライアントが、この著者のセミナーにカネを払って脱洗脳されたとしても、さてどう売るか?というアイデアは誰も教えてくれない。
初トマス・ピンチョンは、訳文で読むことの限界を感じて終了。だいぶ読み飛ばしてしまった。翻訳を参照しつつ原著で読むべきところだろうが、文学的教養に乏しいからどのみち楽しめない。我々凡人にはトマス・ピンチョンは永久に「読めない」のだと思う。同…
全篇、机上の空論。タイトルとカバーデザインだけで売れてしまう本があるのか。
ゲーム史に残る傑作「パックマン」の生みの親が語るゲーム論。初版2005年とは信じられない古色蒼然とした思い出話が大半だが、ゲームの神髄を知り尽くした者にしか分からない卓見も随所に溢れ、「最近のクリエイターは遊びからではなく、ゲームから入っ…
「明日の広告」「戦略PR」「使ってもらえる広告」・・・広告系マーケティング本で良書を連発するアスキー新書に、またひとつ新たな名作が。ソーシャルメディア系の企画を立案するなら、ぜひとも教科書的に押さえておきたい一冊。トレンドに疑念を抱きつつ、…
プロダクトデザインからソーシャルデザインへ。デザイン・ファームIDEOのトップ自らが語る「デザイン思考」の神髄。自社案件以外の知見は、ありきたりの言説で独創性に欠く。デザイナーが「ビジネス的」に語ろうと一生懸命背伸びしている感じだが、新たなク…
どうも内容に見覚えがあると思ったら、年初に原書で読んでいた。あの名著も日本のビジネス文庫になると、こうも覇気を奪われ、下品になるのか。原書とはまるで別物、ジャンク品である。
何ページ目でギブアップするか。戯れに読んでみたが、40ページ目で挫折(苦笑)。それなりに社会経験を積んだ今なら、数学も面白く感じるのでは・・・淡い期待が完膚なきまで粉砕される。
素材は面白いのだが、専門領域に入り込み、延々と難解なページが続くなど、編集がアンバランス。図表くらいはつけて欲しかった。生物学を題材にした文学作品と考えれば腑に落ちる。
今となってはとても信じられない、まるで別世界のような、主体性のあるニッポン。