堕落する高級ブランド(ダナ・トーマス、実川元子訳/講談社)

erevan2009-09-12

グローバル経済の隆盛に伴い、利益至上主義の巨大産業と化したファッション業界。コングロマリットの支配、露骨なPR戦略、著しい品質低下など、激しく変貌する有名ブランドのドロドロとした実態を、驚くべき取材力により暴き出した労作。今にして思えば、これはひとつの”ファッション・バブル”とも言うべき現象だったのだ。「ブランドの大衆化」という、自己矛盾的なスローガンを掲げて闇雲に突き進んだ先に、地獄の釜が口を開けて待っていたのである。