環境問題のウソ(池田清彦/ちくまプリマー新書)

erevan2008-03-31

胡散臭いエコロジーブームを、冷めた視点で徹底批判。といっても肩の力が抜けた軽めの本で、飲み屋でちょっと面白い話を聞いているような感じ。地球温暖化は「CO2よりも太陽活動の影響の方が大きい」など目からウロコの指摘が次々と。温暖化問題、ダイオキシン問題、外来種問題・・・と、なかなか説得力のある展開を見せたが、最後の「昆虫採集擁護論」で着地に失敗。メリットとデメリットを天秤に掛け、社会的コストの安い方を選択すべき、という著者独特のドライな視点が、こと自分の趣味を守るためには強弁に。己の守るべきものの前には理論もへったくれもなし、という人間の矮小性を実証してしまった。