次世代コミュニケーション(横山隆治他著/翔泳社)

erevan2007-10-18

バズワードを振り撒き、「新時代の到来」を喧伝する。要はアメリカの業界団体の動向をチェックして「日本もこれからはこうなる!」と煽り立てるおなじみのパターン。
マスが効かなくなり、広告コミュニケーションの主役がネットに移動。ホームページという自社メディアを持った企業は、「ブランド発のコンテンツ」によって消費者との絆づくりを推進する。結果、「企業→コンテンツ制作会社」という直接発注が主流になっていく・・・というのが著者たちの描く未来図。
だがそうなれば、著者たちの所属する広告代理店など無用の長物である。多岐に渡るコンテンツ会社を束ねるトラフィッカー的な役割としてAE部門は生き残るかもしれないが、コンテンツ競争力のないクリエイティブ部門、内製すらしない実態不明のインタラクティブ部門は真っ先に切られるはず。
嬉々として語っているうち、もしかしたら自分たちの首を閉めているかも、と気づき最後の方はやや収拾がつかなくなっているのが楽しい。講演会と執筆で食いつないで行こう、というしたたかな野心を持っているなら別だが。違うだろうな。