知の編集術(松岡正剛/講談社現代新書)

数々の知見があった。大いなるヒントを発見した。特に「要約と連想」。ただ、この人の文章は非常にまだるっこしい。キーワードが、どうもピタッとこない。言い換えても言い換えてもまだ曖昧。例えば「意識のカーソルを合わせる」。もっとうまい言い方がないのか。あきれる程の知性で様々なメソッドを開陳してくれるが、あまりに膨大過ぎて実用性があるかどうか疑問。一種のペダンティズム。一子相伝の芸能。第2の松岡正剛は決して生まれ得ないだろう。
しばらく前から講談社現代新書のカバーデザインが変わった。中島英樹によるデザインなのだが、この人はあまり本を読まない人間だと思う。知性を感じない。売り場で目がチカチカする。