全脳思考(神田昌典/ダイヤモンド社)

erevan2010-11-11

異色のアイデア開発手法「全脳思考」を紹介する、奇怪なマーケティング本。

メソッドを要約すると、
1、その商品によって身近な人物が120%の笑顔になっている様をイメージする。
2、なぜ笑顔になっているのか、その理由を語る彼のセリフを考える。
3、そのセリフこそが売り方のアイデアである。

・・・と、あまりにも怪しい。この一連のプロセスを再現したパートなど、「イメージが降りてきました!」といった感じでほとんどオカルトである。にも関わらず、最後まで読み切ってしまい、実践する気にまでなってしまったのは、ひとえにコンサルタントとしての著者のスペックが無視できない信憑性を感じさせるせいだ。巧妙に予防線を張りながら、徐々に信じ込ませていくような、催眠的なナレーションは相当に手強い。店頭で発せられていた密教的なオーラは本物だった。もしかすると発想法をおちょくった壮大なパロディのような気もするが・・・著者は本気なのだろう。