スモールワールド・ネットワーク(ダンカン・ワッツ、辻竜平、友知政樹訳/阪急コミュニケーションズ)

erevan2010-05-06

学会では相当のやり手らしく「オレがオレが」な物言いが鼻につく著者だが、冒頭からスピード感のある筆致で期待させる。が、中盤「6人たどれば、すべての人につながる」=スモールワールド理論の根拠であるミルグラムの実験が、かなり怪しげなものだったことが露呈。以後は取り乱した天才の牽強付会な言説に延々付き合わされる。著者にとっては研究内容より「あいつが先」「オレが先」という学会でのポジション取りが重要なのだろう、という気にさせられた。