タンパク質の一生 生命活動の舞台裏(永田和宏/岩波新書)

erevan2010-03-23

これほどの知的興奮を与えてくれた本は久し振り。生命活動の根源はタンパク質だったのだ。そのあまりにも精緻なメカニズムに、驚きあきれることしきり。われわれ一人一人が、体の中に物凄い小宇宙を持っていることに、今一度驚く必要がある。そんな意味では、小学生にまず教えるべきは分子生物学ではないかと思う。学習の究極の目的が人間理解だとすれば、それは自分の理解=タンパク質の理解から始まるはずだ。アカデミズムに傾斜せず、常識人としての視点を失わない執筆スタイルもいい。