シークレットアドバイス（「フォーチュン」編集部編著、桜田直美訳／幸福の科学出版）

マイクロソフト、HP、P＆G、グーグル、サウスウェスト航空など、世界の錚々たるトップ企業に取材した「成功の秘訣」。「フォーチュン」の編集だけあってネタは豊富だが、各エピソードが１〜２ページ程度で終わってしまうブツ切り感がひどく、ここまで短いと逆に読み飛ばしてしまう。ショートストーリー化されたステープルズ、モトローラの事例はかなり面白いので、教訓話には適切な長さが必要だということなのだろう。特筆すべきが「ストームキング山の悲劇」。コロラドで発生した史上最悪の山火事を題材に、「マネジメント」の視点から様々な分析を加え、最終的に「意思決定システムの不在」を導き出していく。意思決定にまつわる読み物でここまで衝撃的なものを他に知らない。ジョン・クラカワー「空へ」を凝縮したようなスリリング。