フラット化する世界<下>(トーマス・フリードマン、伏見威蕃/日経経済新聞社)

erevan2009-01-28

「現場報告」篇だった上巻に対し、下巻は「対策」篇。「フラット化する社会」にどう対応し、働き、生きていけば良いか。主にアメリカ人の読者に向けて様々な処方箋を提示する。繰り返し「教育の充実」を訴えるなど興味深い点はあれど、その過度に愛国的な姿勢には大きな違和感を持った。特に、アラブ社会によるアメリカへの異議申し立てを「貧しさゆえ」と切り捨てるあたり、ブッシュ政権の主張そのもの。結局この著者の正体は、新自由主義の提灯持ちだったということのようだ。