リサイクルは資源のムダ使い(小若順一/講談社)

リサイクルに限らず、食料や水、化学物質などいわゆる消費者運動的なテーマを網羅し、これからの「正しいライフスタイル」を指南する。地道に消費者運動を続けてきた筆者ならではの、地に足の着いた知見と取材内容には強い説得力がある。タイトルに代表される、一般的なエコロジー対策への批判部分は、科学者の書いた類書と内容は重なるが、より冷静で力がある。一昔前なら反大企業、反政府のまず批判ありきな左翼臭に満ちたジャンルが、今や市民権を得て最もトレンディな存在へ。そのあたりを考えると、装丁や文字組など、書籍としてのパッケージデザインがいかにも前近代的でいただけない。そこは変に地味にする必要はないのだ。