「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート(コリン・ジョイス/谷岡建彦訳/生活人新書)

erevan2008-05-26

在日経験14年のイギリス人記者が書いた日本人論。といっても視点は至って平凡で、イギリス人特有のシニカルな批評精神はゼロ。愛すべき日本人の、小市民的な日常を礼賛する、なんともお行儀の良い本。育ちのいい中学生が、日本のいいところだけを書いた作文のような感じ。日本人の美点として挙げている事例の多くは、「ガイジンさん向け」の特殊な対応でしかないのだが。カマトトではあるが、これを読んで悪い気がする日本人はいないだろうし、軽い読み物としては及第点。訳がこなれ過ぎて逆に違和感がある。