モオツァルト・無常という事(小林秀雄/新潮文庫)

確かに批評「美学」だ。批評文というより、それぞれが一個の文学作品である。だが決して自己の世界に閉じているわけではない。読後、モーツァルトを聞きたくなった。西行を読みたくなり、雪舟の画を実際に見てみたいと思った。そう思わせるところがこの人の才能なのだろう。